仕事

4/18
前へ
/81ページ
次へ
「Kがあなたを選んだ理由がわかるわ。 だってあなたKにそっくりなんだもの」 「性格とかですか」 「いや、あえて言うなら全部かな。 Kもあなたのように秀才だった。 勉強も運動もできたからつまらない日常に飽き飽きしていたって。 それで“こっち”の世界に入ってきたのね」 「Kも…………」 「重ね合わせてるんだと思う。 あなたと自分を……」 Iが話し終わったところにKが戻ってきた。 「早く車に乗ってくれ。 あ、あとI」 「はい?」 「盗聴器、また仕入れといてくれない?」 「また神崎君つれてきてくれるならいいわよ」 「わかったわかった。 じゃ、たのんだぞ」 そう言ってKは車へ戻った。 神崎もバーを出ようとしたらIが耳元で囁いた。 「気をつけてね」 遊びにいく小学校じゃないんだけどな。 ちなみに、さっきからDが妙に静かだなと思ってチラッと確認すると、彼はソファーで高いびきをかいて眠っていた。
/81ページ

最初のコメントを投稿しよう!

41人が本棚に入れています
本棚に追加