41人が本棚に入れています
本棚に追加
「Kがあなたを選んだ理由がわかるわ。
だってあなたKにそっくりなんだもの」
「性格とかですか」
「いや、あえて言うなら全部かな。
Kもあなたのように秀才だった。
勉強も運動もできたからつまらない日常に飽き飽きしていたって。
それで“こっち”の世界に入ってきたのね」
「Kも…………」
「重ね合わせてるんだと思う。
あなたと自分を……」
Iが話し終わったところにKが戻ってきた。
「早く車に乗ってくれ。
あ、あとI」
「はい?」
「盗聴器、また仕入れといてくれない?」
「また神崎君つれてきてくれるならいいわよ」
「わかったわかった。
じゃ、たのんだぞ」
そう言ってKは車へ戻った。
神崎もバーを出ようとしたらIが耳元で囁いた。
「気をつけてね」
遊びにいく小学校じゃないんだけどな。
ちなみに、さっきからDが妙に静かだなと思ってチラッと確認すると、彼はソファーで高いびきをかいて眠っていた。
最初のコメントを投稿しよう!