【第一夜】

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―そもそもは市が運営する植物園にふたりで出かけたのだ、お弁当をもって。 そして帰り道、バスの時刻表を見た彼は、少し待たなきゃならないと知って、ひとりで近くのスーパーマーケットに入っていく。わたしは律儀にバス停で待つことにする。 このバス停は私鉄の支線の駅前にあり、駅前には彼が入っていったスーパーマーケットやクリーニング店、ケーキ屋なんかがある。 高校時代に使っていたバスだから、わたしは彼よりは事情に詳しい。一本乗り遅れたらまたものすごく待たなくてはならないし、時間通りにバスが来ることなんて滅多にないのだ。ある時は5分早く、ある時は10分遅い。
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