サムライGirl

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改めて断っておくが、ここは21世紀の日本である。少女の独り言(というには若干流暢すぎる気もするが)の内容は浮世を全力で天元突破している。 「お母さん、あのお姉ちゃん変な事言ってるー」「見ちゃいけません!」のレベルだ。 さらに少女は言葉を続ける。が、一転、何を言っているのか分からない。言っている内容が意味不明ということではない(先程の少女の発言からしてイミフなためこれでは一転という表現は不適である) それは例えるならば旋律。少女の喉から発せられた音、声そのものに力を乗せ、言語としてではない何かで世界に語りかける。 「――――――ッ!」 続けて起こる、変化。少女の手にした巻物の上に青白い光が踊る。跳ね、走り、弾け、やがて光は幾何学模様を描いた。――魔法陣――そう呼ばれるものに酷似している。   「ふむ、上々。……そこか」   満足気につぶやき、少女は再び歩き出す。   からんころんからんころん。
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