‐始まり‐

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―――…そういえば 精霊はふと思い出した。 本来精霊たちは特別な場合を除き 宿っているものからは放れる事は出来ない しかしこの大樹に宿る精霊は元からここにいた訳では無かった。 この精霊には記憶が存在しない――― 自分が精霊であるという事以外、宿っていた物も住み家もいままで何処にいたのかさえも全く分からない 今より数十年前にふらふらとさ迷っていた所枯れかけていたこの巨木を見つけ、他の精霊が住んでいる気配も無いのでそのまま住み着いているのだ。
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