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あれはたしか此処に来て数年たった頃―――
枯れかかっているあの巨木を
どうするかという話が持ち上がった際、
当主夫人が邪魔だから直ちに切るようにと
命令を下した。
そして木が切り倒される寸前――
『まってお母様!その木を切らないで!』
三歳半の少女が走って来ると木の前で
通せんぼをした
『何を言うのクレア?この木はもう古いから切ってしまう方がいいのよ?』
『だってその大樹は初代当主からここに立っていた木で家の紋章みたいなものなんだってお祖父様がいってたわ』
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