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『それにこの木よく見たら真上の枝に若葉をつけ始めたの。だからまだ枯れると決め付けるのは良くないわ
ねぇお願いお母様。もう少し待って頂戴』
少女の涙を溜めながらの懇願に
さすがの母親もおれたのか
「じゃあもう少し待ちましょう」と言って
切り倒しを一時中断した。
その後から大樹はみるみるうちに枝を伸ばし
葉をつけ始め瞬く間に元に戻ってしまった
(とはいえこの回復の大元の原因は木に住み着いた気まぐれな精霊のお陰なのだが)
『―――あの時の礼もある。それにちょうど退屈だし
少し手伝うとしよう…』
やがて強い風が吹き上がり
大樹の小枝と葉を巻き上げた――――…
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