‐始まり‐

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声は屋敷の中からだった。 本来なら屋敷内の音は外には聞こえないはずだが 『それ』にはハッキリと聞き取れた。 なぜなら『それ』は人でないモノ――― 精霊であったから。 『やれやれ……私の眠りを妨げるとは… …一体何事だ?』 精霊が息を吹き掛けるとどこからか風が吹いて 木々や小枝を揺らした と同時に――― 「だったら私が立派な次期当主になるわ!!そしてまた この家を昔みたいにたて直してみせる!!!」 精霊を起こしたらしき子供特有の かん高く大きな声が響くと さらに大きな音を立てて中央の扉が開き、 どうやら声の主らしい少女が飛び出して来た。
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