妹は萌えるとは限らない

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神話において《神》は全てを創造するという御業を恐れ、自らを滅する事を望み、体を十一の概念に打ち砕いて人間に託したという──。 話がそれたが、マミは吸血鬼化した事によって大いに苦しんだ事がある。 元から吸血鬼を凌駕しつつある娘だったのだが、半分とはいえ吸血鬼となった事により完全にそのパラメータは吸血鬼の限界を超えてしまった──。 劣等感に劣等感を重ね、それでも俺と同じ道を歩くためだけに身を落としてくれた。 「こら。遠い目してんじゃないわよ。私に目を合わせなさい」 思考に回していた意識を現実に戻すと、マミは泣きたくても泣けない顔から、少女のような膨れっ面になってグイッと接近していた。 そんなに近付いたら必然的にまるで押し倒されているような構図になるわけだが。
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