自己紹介

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「……むぐむぐ」 物理的に。 いや、先輩方は仕事に誇りを持ってるっぽいから、真っ正面からでは愚痴ることは出来ないんだけど。 それはさておき、僕の口は口止め料とか経由せずに、物理的に空気の波を通行止めしている状態というわけだ。 ついでに言うと、目隠しされたうえ、後ろ手に縛られ、イスの背もたれににロープでグルグル巻きにされている。 所謂、理想的な人質の図である。 僕ってば今、拉致られてるんだぜ! テンションあげようが何も関係ないけども。 「──あのー。どうかなさいましたか? もしかしてお腹減っちゃったりしてる頃だったりします?」 と、僕の呻き(のようなもの)に、女の子の声で反応が返ってきた。
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