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「三成」
ああ、まただ
「三成ー」
また、また増えていく
「みつn「黙れ、聞こえている」
「聞こえているなら何か返事をするもんだぞ、三成」
ふくれっ面を見せながら、奴はまた私の名をよんだ。
私の意志や気分など、まったく関係なしに話しかけてくる男、徳川家康。
こいつは、必ずといっていいほど私のそばによって私に話しかけてくる。
だが、何か重要なことかと思いきや、奴が私に言う言葉はいつも同じ。
「三成、今日こそ儂と付き合ってくれ!」
「断る」
「三成、その返事昨日も聞いたぞ」
「ほぉ、奇遇だな。私も貴様のその言葉は昨日も聞いたが」
「おぉ!流石三成だ、儂の言ったことを覚えてていたんだな!!」
「貴様の頭はいつもその思考にしかたどり着けないのか、莫迦狸め」
「む、馬鹿とは失敬だぞ。儂は本気で言ってるんだが」
「私は本気で嫌なんだがな」
「…………………」
「………………あ」
言い過ぎた……か?
どうしよう、こういう場合私から謝るべきなのだろうか。
こいつは、冗談はいうが嘘をついているのを見たことがない。
すべてに対して本気でいう、嘘を言わない。
だから、不愉快で面倒だ。
「三成」
「…なんだ」
「たとえ三成が本気で儂の事が嫌いでも、儂は変わらない。」
「……………」
「儂は変わらずに、三成の事を本気で好きでい続けるからな!」
ああ……
また、一つ増えた。
―*また増えていく*―
「好きだぞ、三成」
「ん」
「大好き、愛してるからな!」
「あんまりしつこいと婚約破棄するぞ」(ツン)
「?!!!(泣」(ガーン!)
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