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「そういうの、贅沢だよ」
アイスのスプーンをぺろりと嘗めて、マドカが恨めしそうな目であたしを見ている。
バニラの香りがふんわり漂って、思わずゴクンと生唾を飲んでしまった。
ランチのデザート、アイスコーヒーじゃなくて、バニラアイスにすればよかった……。
「ほぼ毎日朝日奈くんと会ってるからだよ。あたしなんて、ダイスケとは週末くらいしか会えてないって言うのに」
マドカが口を尖らせるのを見て、しまった、と思った。
マドカのカレシ──青柳ダイスケは県外の大学に通っている。
下宿しているもんだから、こっちには何かあったときと週末くらいしか戻ってこない。
話す相手間違えた、と思っても後の祭りだ。
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