19361人が本棚に入れています
本棚に追加
「……ってあたしが文句言ったところで、マナミにはちっとも堪えないんだろうけど」
呆れたように溜め息をついて、マドカはあたしの顔を見る。
その視線にはまだ非難の色が残っていて、居心地の悪さを感じずにはいられなかった。
「ごめん、別にそんなつもりじゃ……」
「判ってる。マナミに悪気はないの。いつもね」
「……なんかトゲのある言い方」
「そりゃあねー。こっちは半ば遠恋だし、嫌味のひとつやふたつ、言いたくもなるって」
クスリ、と肩をすくめて笑ったマドカの笑顔に、裏表はない。
本気で地雷を踏んだわけじゃないと判って、ホッとした。
.
最初のコメントを投稿しよう!