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翔
「山……?」
早苗
「はい。ここは妖怪の山、そしてここはその頂上にある守矢神社です」
立っているだけでもうずうずしい妖気が流れているのを感じた。
早苗
「今、下れば妖怪に襲われますよ…」
翔
「…………」
言葉が出なくなる。もといた世界を手放すという感覚が信じられないからだ。
翔
(でも……戻ろうと思っても戻れるのか……?)
踏み入れた世界を受け入れる。いろいろな事が過ぎると同時に自分にある決心がついた。
翔
「啓士と道大が無事で…ここにいたいと言うなら…俺はここで全てを全うしても悪くはないな…」
早苗
「その二人は…仲間ですか?」
その言葉に小さく頷く。
早苗
「そうなんですか…」
翔
「それと…ここは俺達を受け入れてくれるかな…?」
早苗
「大丈夫ですよ!ここにいる皆さんは全員優しいですし、すぐ打ち解けると思いますよ♪」
笑顔を見せる
翔
「そうか……ありがとう」
今の自分に出来ること、それは精一杯笑うこと、早く二人を見つけること、そして…早くここの住民と打ち解ける事。
翔は沈む夕日を見ながらそう思ったのであった。
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