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まだ本鈴まで10分ほどあるにも関わらず教室にはほとんどの生徒が集まっていた。
その中に壁に寄りかかりながら窓の外を眺めている人物が一人。
「あいつ、一人が好きなのかな?」
「さぁ?」
好きかどうかは知らないが人を寄せつけない雰囲気をもっているのは確かだ。
「気さくなやつなのにな~。」
なんて言いながら翔は気軽に話し掛ける。
「おーい高野、なにしてるん?」
「うん…」
"応え"はするが"答え"はしない。
相変わらず外に目を向けたままだ。
春樹も外に目をやる。
もしかしたらさっきの者がどこかにいるかもしれない。
「!!」
辺りを見まわすと校庭へ続く石段に座っている者が見えた。
「武田くん、見えるの?」
高野は春樹の反応に気付いたようだ。
そうか、高野も俺と同じように見えているのか。
一方、意味のわかっていない翔から問い掛けられたが丁度本鈴がなり、同時に担当の先生が入ってきたため話は中断された。
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