1話

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コンビニから出るときにすれ違った客と肩が当たってしまった。 「あ,すいません」 客はこっちを睨んだが,何も言わずコンビニへと入って行った。感じ悪っ。 俺はコンビニのそばに置いてあった自転車にまたがりアパートへと向かう。腕時計を見る。針はちょうど7時を指していた。車も結構な数が通っている。みんな通勤だろうか。 『通勤に車とか……いい御身分だねぇ』 その時,横断歩道を渡ろうとすると急に目の前を黒い何かが高速で過ぎ去った。 「な……!?」 そしてすぐ後に何かが爆発したような馬鹿でかい音がした。いや爆発していた。交差点の真ん中辺りで黒い車とトラックが衝突していた。爆発したのはトラックの積み荷らしい。 周りは騒然としていて,俺は燃えている車を見て茫然としていた。何人かは面白いショーを見ているように携帯で写真を撮っていた。 「いやぁ,あなた運が良かったですね」
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