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四枚目
そんなことのあった次の日からは、店主の言ったとおり、私と彼女との日々がはじまった。
いや、私の、彼女のための日々と言った方が正しいか。
なにしろ、私がガラス越しにどんなに微笑みかけても、彼女は瞬きすらしてくれないのだから。
だけど私は、それでもかまわないと思っていた。
彼女は目の前にいるだけで私のことを幸せな気分にさせてくれるのだし、なにより私は、彼女の笑顔の虜になってしまっていたのだ。
私は、彼女が笑うことを知ってしまった。
だから、いつか彼女が私のために微笑んでくれるときのことを考えると、彼女のために日々を費やさずにはいられなかったのである。
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