始まりを告げる歌姫

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気のせいかさっきから雪緋を呼ぶ声がする。しかし雪緋はこれも変な夢のせいにしてあまり気にしなかった。 「ほら早く行かないと本当に遅刻するわよ」 余計な事を考えてる間に母親がバックに弁当をつめる。 「(甘えすぎだな...駄目な奴だ。)」 そんな事を思いながら雪緋は急いで家を出た。 学校までは自転車で20分 現在時刻08:50 HRの開始が08:45 もう遅刻決定だ 否...遅刻だ そんな事を考えながら自転車をこいでいると再び雪緋を呼ぶ声する。 振り返っても誰もいない。 周りを見渡すが雪緋以外誰もいない。 既に遅刻なのであまり構わずに自転車こぐ事にした。 だがまた声は聞こえる。それも耳元で声がしてるのかと疑うくらいハッキリと。 周りを見渡すと今度は黒を基調とした物に白の十字架の刺繍が左肩にある制服を着た少年を見つけた。 今雪緋が着ているのと同じ制服。 その子の後ろには今飛び立とうとしている烏が見える。 その烏は飛び立とうとしたまま動かない。 おそらく時を止められているのだろう。 雪緋が動けるのは相手に動けるよう指定されたからだろう。 それは時を止めればお前なんて簡単に殺せるという意味だろうか。 「(考え過ぎか...朝から色々考えてる気がする。)」 「君は..」 「君にはもう目覚めが必要だ」
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