始まりを告げる歌姫

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雪緋が「誰ですか?」と聞こうとした時のに先にしゃべられてしまった。だが意味が分からない。目覚めって何なのか? 雪緋はその少年をじっと見つめた。 見つめてたはずなのに気がつけば少年は雪緋の胸に手をあてている。 相手が魔法を発動させたようには見えなかったし、今も魔法に関係するような事はしていない。 「そっか...君の魔力を感じないと思ったら記憶が封印されてて、本来の魔力が出せないんだ...僕が手助けをしてあげる」 その少年は何もしないまま雪緋から離れた。 そして消えた。霧のように。 魔法が使える人間なんて珍しくはないが驚いてしまった 言ってる意味が分からない。 「(確かに昔の記憶はないがそれと魔力になんの関係が?)」 「(それに本来の魔力?今俺が使える魔力は俺の物じゃないのか??)」 そして何より一番驚いたのは時間だ。 現在時刻12:30 「えっ??」 時を止める魔法というのは2種類存在する。 実際に時間を止める魔法。 そして対象者の脳に魔力を一気に送り込んで対象者の脳の活動そのものを停止させる。 この二つだ。 この2つに共通して言える事は対象者には意識が無いことだ。 雪緋にはハッキリあの少年の声が聞こえていたし、何より時間を止めたら時計は進まない。
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