咲妃

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『…誰だよこんな時間に電話してくる奴は…』 俺は眠い目を擦りながら携帯に手を伸ばす… 今は午前3時過ぎ。 普通の人は眠りに就いている頃だ。 静寂な部屋に鳴り響いている着信音。シドの「レイン」だ 早く出ろと言うかの様に鳴り続く携帯 俺は無視しようとしたが…鳴り止まない 仕方なく携帯を開く…。 すると画面には「咲妃」と表示されていた。 ため息をつきながら通話ボタンを押した。 『…はぁ。なんだよこんな時…』 『やっと出たわねーー(怒)』 出た瞬間に逆ギレかよ… 『何してたのよ…』 『何って寝てたに決まってんだろ?』 『何で寝てるのよ…』 …はい?逆に聞きたい。 何で寝ちゃダメなの? 『何でって…眠いし、疲れたし? 咲妃こそ何だよこんな時間に…何か用か?』 『用なんてないわよ…』 …はい?用もないのにこんな夜中に起こしたのか? 朝9時からバイトだっていうのに… 悲しみと共に怒りもこみ上げてきた。 『ふっざけんな!!用もないのにこんな時間に人を起こすなんて意味分かんねえよ!!!』 俺は息を荒くして怒鳴りつけた… 時計を見ると午前4時を過ぎていた。 やばっ…俺の方が近所迷惑ぢゃん…。 『…ごめんなさい。』 …え?いつも強気な咲妃が俺に謝るなんて 明日は雪でも降るんぢゃないか? 『夏魅が迷惑ならすぐ切るから… ごめんねこんな時間に用もないのに電話して…』 『どーしたんだよ?今日の咲妃何か変だぜ? 別に迷惑とかぢゃないから何かあったんなら話せよ』 『ただ…』 『ただ…?』 少しだけ間があいた 1秒ぐらいだったが俺には1分ぐらいの長さに感じた 『会いたかっただけなの…。 今から会えないかな? 会って話したい事あるの…』 こんな時間に会いに来るって事はすごい大事な話しなのかな? 『今からってこんな時間にか?別に俺はいいけど… 咲妃は大丈夫なのか? こんな時間に外出して』 『大丈夫ってかもぉいるの』 え? えぇぇぇ?! 『まじで?!家って俺んちって事だよな?』 『…うん』 『分かった。少し待っててくれるか?』 俺は電話を切り急いで部屋を片付けた。
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