咲妃

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俺は咲妃の為ならバイトを休んでも構わなかった。 小さい頃から一緒にいたから顔を見るだけで何かに悩んでいる事ぐらい分かるからだと思う。 俺は悩んでいる咲妃は見たくなかった… 何故かは分からないが守りたくなったんだ 『夏魅…私ね…家を出て独り暮らししたいの…』 まさか咲妃が独り暮らししたいなんて言うなんて思いもしなかった。 『それとね…ずっと前から夏魅に言わなきゃいけなかった事あるの…』 『ん?何だ?』 『私ね…小さい頃から夏魅の事…好きなの…』 『え…?』 俺は頭が真っ白になっていた 咲妃が俺の事を?嘘だろ?? でもすごい嬉しい…。その時思った あぁ…俺も咲妃の事好きで好きでたまらなかったんだって… やっと気付けた。本当に誰かを好きになった気持ちを… 『俺も咲妃の事好きだ!! こんな俺だけど傍にいてくれるか?絶対咲妃を守るから』 『ホント…?ずっと隣にいてくれる?』 『あぁ…隣にいるよ』 『ありがと…大好き…』 そして俺は咲妃を抱きしめた すると咲妃も抱きしめかえしてきた 安心したのか咲妃の瞳から涙が零れ落ちた。 『何で泣いてるの?安心したのか?』 『違うよ?嬉しいから泣いてるに決まってるぢゃん。 私が何年夏魅の事想い続けてたと思ってるの? 7年だよ!?7年も言えなかったんだよ??』 知らなかった… 咲妃が7年も俺の事想ってくれていたなんて… 全然気づかなかった。 俺は馬鹿だな… 『夏魅は全然気づいてくれないし… 彼女とかいたの?』 『いたよ。高校入ってすぐに出来て4ヶ月ぐらいで別れたけどね。咲妃は彼氏とかいたのか?』 『いるわけないでしょ!? さっきも言ったぢゃん! 7年間ずっと夏魅の事好きだったんだよ?』 そーだったな… すっかり忘れてたぜ…笑 『夏魅は…さぁ? あの…その…えーと…何て言うか…』 咲妃は顔を真っ赤にしながら下を向いてごにょごにょと話していた。
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