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『何食べたい?簡単なもんしか作れないぞ?』
『パンとスクランブルエッグでいいよ♪』
『了解♪』
俺は冷蔵庫から卵を取り出し溶いた状態にしておき、パンを取り出してトースターで焼き始める。
パンを焼いている間にフライパンに油をひき溶き卵を流し込む。箸でで手際よく作っていく俺の姿を見て咲妃は、
『夏魅って料理出来るんだね!すごーい♪』
『当たり前だろ!?小学から独り暮らししてみたいなもんだったんだから』
そう…俺の両親は小さい頃に離婚している。
俺は父親と暮らしていたが仕事が忙しかったのもあり料理は適当にしていた。大体は作っておいてくれたが小腹が空いた時などは自分で作って食べていた。
料理は少しだけ母親に教えてもらった事があったが今は10年以上会っていない。どこで何をしているのか誰かと再婚したのかさえ知らない。知っている事と言えば母親の得意料理がスクランブルエッグという事ぐらい…
俺は母親の事全然知らないんだな…
俺は悲しくなってしまった…
今だからこそ会いたいと思う…
どんな姿でもいい…
会って色んな事話したい…
叶わない願いだけどな
『…パンも焼けるしエッグも出来るからそこの棚にある皿取ってくれるか…?』
『どーしたの…?』
『なんでもないよ?皿取って?』
暇そうに見ていた咲妃に頼むと心配した様子で聞いてきた。
俺は平気だからと言うと皿を取ってくれた。
『飲み物どーする?』
『冷蔵庫にコーラとお茶とオレンジジュースあるよ』
『夏魅は何飲むの?』
『やっぱ朝はコーヒーでしょ』
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