始まりの間

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扉の表面にデカデカと、真っ赤な塗料でこう記されていたのだ。 ・・・[5]・・・ 淳平「[5]・・・・・・?[5]って何だよ・・・・・・。」 怪訝なまざなしを向けながら、誘われるように近づいていく。 扉の前に立った。L字型の取っ手をつかんで前後に揺さぶる。 開かない。押しても引いてもびくともしなかった。 扉のわきにはカードリーダーと思しき無骨なデバイスが設置されている。 どうやらこの装置が扉のロックを制御しているらしい 淳平は右の拳を握りしめ、鉄の扉を強く叩いた。 [ドン!ドン!] [ドン!ドン!] 淳平「おい!誰か!誰かいないのか!開けてくれ!」 [ドン!ドン!] [ドン!ドン!] 返事はない・・・・・・。 さらに左手の拳を握り上げる。 そのときふと、淳平は異変に気がついた。 淳平「なんだよ、これ・・・・・・。」 思わずつぶやかずにいられなかった。 左の手首に、見覚えのない腕輪が嵌められていたのだ 中央の部分にデジタル表示の文字盤が付いている。 腕時計ように見えたが、そうではないことは一目瞭然だった。 数字がたった1文字だけしか表示されていなかったからだ。
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