始まりは背後から

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◇  結局、奴は俺の教室まで着いて来やがった。しかも冬なのに汗かいてるし。 「何で教室まで来るんだ? 別に俺は何もされてないし、お前なんか知らないぞ」 「私、クラスメイトの瀬戸垣内 未子。一年の時から君と同じクラスよ」  ごめん。二年生になって初めて気付いた。  そして突然、彼女は俺のバッグから水筒を取り出した。 「あ、お前。俺が毎朝作ってる、ホカホカのトムヤムクン飲むなよ」 「何であんたそんなの飲んでるのよ。これは多分、能力に攻撃されているわ。能力の気配がするもの」  そういって未子とやらは、水筒の蓋を開けた。  ――すると。
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