エレベーター

『ねぇ？遊んでくれないの？』

　冷たい女の人の様な声。
首筋の辺りが冷たい風に撫でられる様な感覚に襲われる。
だけど、俺は恐怖で目を開ける事ができなかった。

　そんな時ゆっくりとエレベーターが止まった。
グインとドアの開き始める音がしたので俺は目を開けて、エレベーターを降りようとした。

　エレベーターの扉が横へと開くために吸い込まれていく中で、俺はその窓に映るこちらを見て怪しく微笑みかけてくる女の人と目が合ってしまった。

「うわぁ！！」

　俺はそんな情けない声を出しながら、開きかけているドアに体当たりする様にエレベーターの外へと出て、ダッシュで部屋へと入り込んだ。

　俺はそれ以来エレベーターに乗っていない……
あなたの住む近くに幽霊の出るエレベーターがあると聞いたことはありませんか？
聞いたことが無くても、エレベーターには気をつけてくださいね……

　ほらもしかしたら、あなたの後ろに気がつかない内にもう1人乗ってるかもしれませんよ。