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明くる日の朝。
康平はいつもと違い、いい匂いで目を覚ました。
それはシュガーが朝食の準備をしていたからだ。
「あっ。御主人様おはようございます!」
「ん…。おはよー…。」
朝から元気いっぱいのシュガーに対して、何とも気の無い返事をする康平。
見るとテーブルにはすでに皿が並んでいてサラダとスープが出ている。
そしてトースターには食パンが入っているようだ。
「もう少し待ってくださいね。
あとちょっとで出来ますから。」
フライパンを右手に、卵を左手に持ったままシュガーが言う。
康平はベッドから起き上がると洗面所へ向かった。
そして顔を洗いながら考えていた。
(これってすごい事だよな。
起きたら女の子が朝食作ってるなんて。
しかもシュガーって結構家庭的なんだな。)
そんなことを考えているとシュガーの声がした。
「御主人様ぁ。出来ましたよぉ。」
康平が出て来るとシュガーがニコニコしながら待っていた。
「へぇ。すごいな。」
テーブルに並んだ朝食を眺め思わず声が出る。
今まででは考えられない食卓がそこにある。
いつもならコンビニのおにぎりなどで済ましてしまうため康平にとってその光景は異様であった。
「どうぞ。召し上がれ。」
康平は満面の笑みでそう言うシュガーを横目に食べはじめた。
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