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「げ…」
レジにジャンプを置いたと同時にあまりよろしくない声が聞こえた。
多分暑さにやられて幻聴が聞こえてるんだな。
声は可愛かったし、俺が好きな声だし。まあ、思い切りテンションが下がってた声だけど。
「…何か?」
「いえ、240円になります」
「はい」
ポケットからしわくちゃになった1000円札を出す。
「…ぅゎ…」
本当にしっかり聞いてないと聞き逃すくらい小さい声だった。けど、絶対一瞬めちゃくちゃ嫌な顔したぞ、こいつ。
名札で名前を確認する。
"ふじい"…ふじい、な。
どうせバイトなんだろう、このやろう…。
そんなことを考えている間にも相手は自分の仕事をそつなくこなしていた。
「おま「お待たせいたしました、お客様。760円とレシートのお返しです。またのご利用お待ちしております。」
話を遮られ、いらつくよりも先に、バリバリのアニメ声と表情に圧倒された。
そして、放心状態の俺に耳打ちをしてきたのだ。
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