3rd,4th Mission

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次の日。 朝日が昇る頃、レンは 昨日と同じく海を眺めていた。 その海を眺めて、疼く 右肩を押さえる。 そこには、銃で 打たれたような古傷がある。 彼の秘密はこの古傷に あるのかもしれない。 「レン。」 「げ!女っ!」 「…相変わらずの反応ね。」 後ろから話しかけられ 振り返ったレンは ランの姿に後ずさった。 ため息を漏らしながら、 レンに言葉を繋げる。 朝日に照らされて、ランの 白い肌が透けて見える。 誰もが息を飲むほど、 美しいランに、レンは 未だに慣れていなかった。 「…お前のタトゥー 上手く彫ってあるけど、 傷を隠してるんだな。」 「あぁ…これ? そう、昔ちょっとね。 貴方も、右肩の傷…。」 「俺も昔の傷だ。」 お互い、それ以上は 言葉にしなかった。 手探りで互いのことを うかがっていくのは、 一気に自分の懐へ 潜り込まれるのが 怖いからだろうか。
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