犀都と青年

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  「そんな仕事なんて嫌です!!たけてー!!誰か、助けて下さい!!」 「うるさい!!喚くな!!」 泣きながら騒ぐ桃花に、中年男性は睨みつけ怒鳴りつける。 すると、桃花の手首を掴む中年男性の手に鋭い痛みが走った。 「うっ……て、てめぇー!!」 桃花の手首を離し、自分の手首を掴む中年男性は桃花の方を睨むと、そこには、桃花を背にして立つ長身の端整な顔立ちに、短い金色の髪を靡かせた青年が立っている。 「あ、あなた様は…」 「嫌がる女の子を無理やり花街に連れ込むのは、あまり、よろしくないな」 にこりと笑う青年に、中年男性は渋い顔をし急に腰を低くし始める。 「り、柳<リュウ>家の坊ちゃんでは御座いませんか……いや、私は、そこの娘に職を与えてやろうと言う親切心からでして…」 「ふふふ…親切心は度を超すと、お節介に変わるから気を付けなさい」 「は、はいい…」 「わかったなら、さっさと、帰りなさい。まだ諦めないなら、私が直々に部署で少女を無理やり花街に引き込んだ件を取り調べようか?」 にこやかに笑うが目の笑ってない青年に、中年男性は「め、滅相も御座いません!!失礼します」と言って走り去って行った。  
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