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―閨国<ケイコク>―
長い伝統があり、自然や商業などが盛んで豊かな大国。
そして、王族と貴族が権力を持ち合わせ、純血を重んじる国。
純血とは、同じ血筋の事を表し、近親同士の婚姻で純血を維持する。
しかし、それは国王のみで、公主<コウシュ>つまりは、姫君の事だが、国の同盟のために、必ず他国に嫁がされた。
地図としては、東には海が広がり、北には小国が幾つか存在し、南には小国でも大国にのし上がろとしている酋<シュウ>国、そして西には、大国である燕<エン>国が存在する。
しかし、豊かだと言っても豊かな暮らしが出来るのは、閨国の中心部である首都、犀都<サイト>か、犀都に近い場所のみで、その土地から離れて行くにつれて、田舎ばかりだ。
犀都近郊に住むのは、王族や貴族ばかりで、住むにも物価が高く、お金のない者達は、仕方なしに田舎で暮らすしか他がなかった。
そして、蘇 桃花<ソ トウカ>も、また、その1人だ。
蘇 桃花、14歳。
家を支える父や兄達は、戦に駆り出され、戦でなくし、姉は嫁いでしまったため、残された家族は、母と桃花、そして4人の小さい兄弟だけが残された。
まだ、弟や妹は小さいために、母と桃花の2人が家族を養うために、お金を稼いでいた。
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