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それ以来洸は走り屋に目覚めた。
毎日のようによしおと車の話をしていた。
二人はお互いに免許を取ったらコンビで走り屋になると誓った。
数ヶ月後、二人は車の免許を取得し、3年間バイトで貯めたお金を握り締め、中古車ショップに向かった。
よしおは120万、洸は98万貯めていた。
よしおは迷わず2003年式の青いインプを値切ってなんと100万で手に入れた。
一方、洸はずいぶん迷って結局真っ白いイプサム エアロツーリングを31万で買った。
洸はイプサムのキャラクター、「イプー」に惚れて買ったらしい。
「よしお凄いな!
150万のインプを100万まで値切ったもんな」
「それは良いけどなんでイプサム買ったんだ?」
よしおが疑問に思うのも仕方がない。
誰もイプサムで峠を攻めるなんて聞いたことが無いからだ。
「イプサムのキャラクターに惚れたのと、有太(イプサム好き過ぎてイプサムのチューニングメーカー「フクシマ モータース」を立ち上げてしまったほどのイプサム馬鹿)がイプサム乗ってるのもあったしね」
「あぁ、確かにフクマル(有太のあだ名)もイプサム乗ってたな~
あいつショップ立ち上げてから全然峠走らなくなったな~」
よしおとフクマル(有太)は中学の頃に自転車で峠を攻めていた、言わばチャリの走り屋仲間だった。
「そうだ、このイプサムをフクシマモータースでフルチューンしてもらうか!」
洸はそう言うと携帯を手に取り有太に連絡した。
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