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しかし、ストレートの次に待ち構えているのは急な右ヘアピンだった。
洸は右ヘアピンだけとても得意だった。
しかし徹はヘアピンが一切苦手だ。
だからストレートでなるべく差をつけておいたのだ。
得意の右ヘアピンで洸はFMSイプサムで徹のFDのケツをあおった。
徹は動揺し、次の左コーナーの進入ラインをミスった。
「くそっ、スマイル君、ヘアピンだけ速い!何て事だぁ」
徹はとても動揺し、痛恨のアンダーを出してしまった。
そこにイプサムを操る洸がオーバーテイクしにきた。
必死でブロックする徹、落ち着いてチャンスを見計らう洸。
次は緩い右コーナーだ。
徹はインを厳守した。
しかしこのコーナーの次は左コーナーだ。
それに気付いた洸はFDの左側、つまりアウトに並んだのである。
2台並んだまま左コーナーに突入!
もちろんインにいた洸は軽やかに徹の前に出た。
この先道が細くなって抜き所が極端に減った。
ゴールまでコーナーは後4個残っているが、車一台分の広さの道で抜けるはず無い。
この時点で洸の初バトル、初勝利が記録された。
この噂はたちまち広がり、洸は徹を破った数少ない人としてFMSイプサムと共に有名になった。
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