エピローグ

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一度は学園を去って天地の剣と関わったフーガは気づいたことがある。ルシャンがライゼ学園にフーガを入れた理由は、もう一度武器を使わせたかったからではないだろうか。 武器を使うことをやめた少年に、本当の強さに気づいてほしかったのだ。 その過程がどうであれ、フーガが学園を退学していなかったら、二度と武器を握ることはなかっただろう。 未だに一つ、いや他にも心につかえているわだかまりはある。だが真っ先に思い出したのは、フーガの存在が邪魔だったから、ルシャンが学園に入れたのではないかと思っていることだった。 ふと空を見上げると、先程と変わらない青空が広がっている。雲の切れ間から薄日がもれていた。 いまルシャンのことを考えても仕方がない。フーガはそう思って、空を眺め続けていた。
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