第四章 死闘、そして運命の再会

147/182
前へ
/464ページ
次へ
「きみにはおとなしくしていてもらいますよ」 目つきを鋭くして、笑ったガウンの姿が消えた。 フーガが天地の剣をルシャンに預けたのが原因で彼が標的になってしまった。早くこの触手をなんとかして、ガウンの相手をフーガがしなければならない。 触手を風で切り裂こうとしたが、傷一つつかなかった。おそらく魔術がきかない作用が働いているからだろう。魔術がきかなければ、時の魔術を使っても意味がない。 手足を動かそうとしても、触手が強く巻きついているせいでうまく動かせなかった。 フーガの行動の自由が奪われている隙に、突然現れたガウンがルシャンに杖を突く。杖が届く寸前にルシャンが剣でそらし、払われた右足を跳んでさけた。 次いで、口早に呪文を唱える。 「破壊の闇よ、我を守れ」 ひし形に広がった闇が十本以上の小刀を防ぎ、粉々の土に変えた。 一つの攻撃を回避したと思ったら、次は魔術の攻撃が迫ってくる。それが何度も繰り返された。
/464ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1829人が本棚に入れています
本棚に追加