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「あやつは、いつまで持ちこたえられるだろうな」
ラシアスが独り言のように呟く。彼は無関心な冷たい眼で、ガウンと闘うルシャンを見つめていた。
底無しの魔力をもつガウンは魔術を躊躇なく使える。それに対してルシャンは、魔術を制限して使わなければならない。この闘いで有利なのはガウンである。
何もできない自分にフーガは苛立った。こうしている間にルシャンが傷ついたり、殺されることがあったらと思うと落ち着かなくなる。
フーガが武器を握ったのは、大切な人を守りたいからだ。このまま何もできないのは嫌だった。
「おい、おまえならこの魔術をとけるだろう?」
顔をこちらに向けたラシアスを臆することなくにらむ。目はもとの濃い紫色に戻っていた。
小さく首を傾げたラシアスは、不思議そうにフーガを見続ける。
「そんなにあやつを助けたいか?」
「当然だ」
ルシャンはフーガにとって大切な人だ。己を犠牲にしてでも、守りたい存在である。
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