第四章 死闘、そして運命の再会

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頭がずきずきする。 ラシアスが言っていることが真実だとは思いたくない。フーガがファンを殺めたなんて、嘘であってほしかった。 「自身が殺した少女を己の命と引き換えに生き返らせてほしいと、泣きながら余に言ったのだ」 「おまえが言ってることは、俺の記憶にはない!」 「貴様は偽りの記憶を信じるのだな。あやつによって、つくりかえられた記憶を」 ラシアスの視線が一瞬だけ、ルシャンに向けられた。 フーガの記憶がつくりかえられているのだとしたら、なんのためにルシャンはそんなことをしたのだろうか? それは少女を殺した少女を憐れんだから。それとも、少年が傷ついている姿を見たくなかったから。 あの日、ルシャンが偶然村の近くにきていなかったから、フーガは彼に助けられることもなかったのかもしれない。 助けてくれたルシャンが、フーガの記憶をつくりかえたなんて信じたくなかった。 「ファンは俺を庇って死んだんだ」 「庇って死んだ、か……。まだ信じないというのか。余は貴様の記憶が間違っていると断言できるぞ」 「嘘をつくな!」 「くく、余に二度も嘘ではないと言わせるなよ」 ラシアスの両眼がかっと見開かれた。吊り上げられた口から、犬歯のようにとがった歯がのぞく。
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