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ガウンの足元に狙いを定め、フーガは引き金を引く。弾が地面で砕け氷になり、ガウンの片足を急速に固めた。
片足の動きが制限されたせいで、ガウンに隙が生まれる。ルシャンはその隙を逃さなかった。
ガウンの肩から脇腹を剣で斜めに斬った。その瞬間、浅くない傷口から血がとまることなく出る。
「武器を二つ持ってるなんて、反則ですよ。きみが例外の存在だったとは驚きですね」
痛みに顔を歪めながら、ガウンは笑っていた。二度目になるルシャンの攻撃をかろうじて、かわして下がった。
武器は二つだけではないが、あえて言う必要もないので、フーガは否定しなかった。
まるで子供のように頬を膨らませたルシャンが、抗議するような目つきになる。
「フーガ、愛する師匠を助けるのが遅いのですよ」
「愛するは余計だ。今まで魔術の拘束をとくのに、手間取っていたんだよ」
フーガは半分嘘をつく。本当はあの日の記憶を途中から見ていたとは言えない。
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