時刻みの風

第四章 死闘、そして運命の再会

「どうかしたのですか、フーガ？」

気づかうように向けられたルシャンの目は優しかった。フーガの両親と闘っていたあの男の目とは違う。同じ人物のはずがない。

なんでもないとフーガが言うと、ルシャンはそうですかと呟いて頷いた。

「フーガ君！」

駆け寄ってきたのは、かすり傷程度のケガしかないレナだった。彼に続いて後ろから、アルトとモモナも近づいてくる。

アルトは左右の腕に浅い傷があるだけで、モモナはレナと同じでかすり傷しかない。レナとアルトは武器を消したのか手に持っていなかった。だが、モモナの手には短い杖が握られている。これが彼女の武器なのだろう。

ゴールドクリスタルの階級を持っているが、長い闘いで三人の表情に疲れが出ていた。それはフーガも同じである。

「フーガ君。どうしたら、そんなむちゃができるのかって言いたいところだけど、今はきみの無事を心から喜ぶよ」

頭を力強く撫でられ、レナに髪の毛がぐしゃぐしゃにされる。