第四章 死闘、そして運命の再会

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自分は悪くないという物言いと態度にかちんときた。何か言い返してやろうとしたフーガよりも先に、アルトが言う。 「おまえ武器を二本持ってるのか?」 「あ、本当だ。フーガ君って例外の存在だったんだ。それに、フーガ君が武器をねえ……。どんな心境の変化があったんだい」 アルトが両眼を吊り上げ、レナが物珍しいものを見る時の目つきになる。その目はなんだよ、と言いたかったがレナと話すのが面倒だったので黙っていた。 こうなると分かっていたら、銃剣を消したのに今更消しても意味はない。だから、銃剣を右手に持ったままにした。嘘をついて二本持っていると、答えようとしたフーガに誰かが声をかける。 「ベルナール殿」 「へ!?」 自分でも間抜けな声が出たと思う。 目前に立っている人物にフーガは、ただ驚くことしかできなかった。フーガは肩を震わせ、顔を強張らせる。 「……出た」
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