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「私は二日前に偶然、ウェザー王国の宮殿に訪れていました。王国の国王と私は友人で、ロインから天地の剣のことを聞きました。そして、彼に天地の剣を守るのを手伝えと命令されたのです」
ロインとは国王の名前だろう。ルシャンに国王の友人がいたなんて初耳だった。旅をしている間にそんな話、一言も聞いた覚えはない。
そもそも、国王と友人になれるなんて驚きである。
「命令されたはいいが、天地の剣を持った部隊はすでに王国を出発していた後でした。それ故、追いつくのが遅くなったのです」
「その話って、本当なのかな。偶然宮殿に訪れていて国王と友達って、できすぎた作り話のように聞こえるんだけど」
「信じられないのなら、信じなくてもいいですよ。私が敵ではないと分かってもらえれば、それでいいのですから。そうそう、一つ伝えたいことがあったのでした」
何か思い出したらしいルシャンがチェスに視線を移した。
「私はここにくる途中である男を助けました。彼からはわずかでしたが、異様な気配を感じたのです。私はそれが天地の剣の気配だと、すぐに気づきました」
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