第四章 死闘、そして運命の再会

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「……レイグル殿、生きていたんですね」 安堵と嬉しさが入り交じった表情をチェスが浮かべた。 おそらくレイグルという男は、天地の剣を届ける任務に関わっていた人間なのだろう。彼はここにいないが、無事を知ってチェスは安心したに違いない。 その時、低い音を立てながら門が開いた。 「貴様ら、ここで何をしている!」 五人の鎧を着た衛兵が現れ、そのうちの一人が前に出る。彼は右手に銀色の鎗を持っている。 結界の効力が消えた結果、異変に気づき駆けつけてきた。そんな様子だった。 「これは、どういうことだ。貴様らの仕業か?」 男の顔から血の気が失せ、怒りをあらわにする。 後ろにいる四人の衛兵は動揺を隠せないまま、不測の事態に備えるために剣を抜いた。彼らは見つけてしまったのだ。――ペルーシュに殺された男の死骸を。
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