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レナが片目を閉じ、笑みを含んだ顔つきになった。
「で、フーガ君はこれからどうするの? 僕達は学園に帰るけど」
「さあな、俺に訊くな」
「もう、はぐらかさないで答えてよ」
不満を隠さないで、腕を組んだレナにアルトが言う。
「レナ、そんな奴に構うな。時間のむだだぞ」
「そうよ。バカと関わるだけで、時間のむだになるわ」
深く頷くノエルがアルトに賛成する。
バカは余計だと思ったが、言い合いになるのも面倒なので何も言わなかった。顔は美人でも性格があんな感じだったら、男は残念がるだろう。ノエルはフーガが苦手なタイプだった。
「私にとって、フーガ君と関わるのはむだじゃないよ。二人共、黙っていてよ」
「はあ!? おまえ、何言ってるんだよ!?」
「あんた、その落ちこぼれに気があるの?」
ノエルが額の中央にしわを寄せ、片手を腰にあてる。
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