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「そういう答えづらいことは聞かないでよ」
流し目にフーガを見て頬を赤くした。
レナの態度に背筋が寒くなり、鳥肌が立つ。彼から逃げるように、すぐ二歩離れた。
声を張り上げ、ミズキが告げる。
「これにて、任務を終了して学園に戻る。異論はないな」
その言葉に反論するものは誰もいなかった。
一人で走り出したミズキの後をアルトが追いかけ、ノエルが「抜け駆けは許さないわよ!」と言って追う。
モモナが足を一歩踏み出そうとして後ろをふり向く。大きく手招きをして、彼女がレナを呼んだ。
彼女のもとにいく前にレナが尋ねる。
「本当はどうしたいのか、分かってるんでしょう?」
「……俺は」
レナが口ごもるフーガを優しい目つきで見た。
「私は先に学園に戻ってるから、フーガ君も必ず帰ってくるんだよ」
そう言ってレナはモモナの側にいき、一緒に駆け出す。小さくなっていくレナの背中を見て、フーガはなんとも言えない心持ちになった。
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