プロローグ

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淡い光がレグリアを包み込み弾けた。光の粒は下に落ちていくと共に消える。 今、男が唱えたものは属性とは関係がない魔術だ。 「これをあなたにあげます」 差し出されたレグリアを少年が受け取る。 少年はレグリアをじっと見つめた。その様子を微笑んだ男が、優しい眼差しで見続けていた。 「持続の魔術をかけましたから、私が死ぬことがない限り、レグリアは永遠の美しさを保つことでしょう」 「……あ、ありがとう」 照れたように俯く少年が、レグリアをそっと外套のポケットに入れた。
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