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「どういたしまして」
少年を見つめて口元を綻ばし、不意に視線を外す。
「どうやらきますよ」
はっとしたように少年が顔を上げた時、半分鳥で半分馬のシェバルが大きな翼をたたみ地上に降りた。
上半身は鳥で口にはくちばしがあり、下半身は翼がついているが馬の胴体になっている。蹄がある四肢は長く引き締まっていた。
少年と男を見据えて、シェバルが威嚇するように鳴く。
「友好的じゃなさそうだな」
「ええ。シェバルは人を襲いますし、人を食らいますね」
男の顔は笑っていたが、目だけが鋭く微塵も優しさが感じられない。
「じゃあ、俺達はおいしいご飯に見えてる訳か」
「そういうことになりますね」
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