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シェバルが甲高く鳴き、蹄の音を響かせて駆け出す。
「我が弟子よ。あなたが一人でやりなさい」
「はいはい」
面倒くさそうに答えた少年が、リュックを肩から下ろし走り出した。
手の平を上に向けて前に差し出す。
「我、呼ぶものは風」
自由を司る風が、手の平に集まり球形になる。少年は風の球をシェバルに放った。
空中に飛び上がって避けると、シェバルが炎を吐く。
「げっ、こいつ火を吐くのかよ!?」
少年は激しく燃え上がる炎がふれる寸前、右に転がってよける。
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