黄色い薔薇

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       ササキ  カオル 少年の名前は、佐々木 薫。 両親は大富豪。 金と食料は腐るほど与えて貰えた。 だが… 一緒に過ごす時間は皆無。 金があるから、ありとあらゆる人間どもが、常に少年の側にいた。 薫と一緒に居れば、美味しい思いが出来る。 ただソレだけで、友人とは名ばかりの人間どもが、親友だと偽り、薫に金を使わせては遊んだ。 女どもは、大富豪な薫のそばにいるだけで、まるでブランド品を持ち歩くかの如く敬われ、それを目当てに群がった。 果たして少年は幸せだったのだろうか? 裕福な環境。 偽りの愛。 薫は… ソレ等を知っていながら… 声をかけてくる人間に対して裏に隠れる欲望に耐え…笑顔で答えた。 答えなければ嫌われてしまう。 一人ぼっちになるのが怖いから、苦笑いを絶やさず過ごしていた。
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