光の賢者

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「そうですね……あと二、三年あれば」 「だいぶ、飲み込みが早いらしいな。師匠の教え方が良いのかな」 マロウが卓の上に肘を付き顎を載せると、カルンの顔を覗き込んで、片目をつぶってみせる。 「いえ、そんなぁ…ディクトが賢いからです」 ほんのりと赤くなったカルンが謙虚に言う。 「相変わらず、照れると可愛い顔をするな」 「か、からかわないで下さいっ」 カルンが焦ってそっぽを向く。 「からかってるわけじゃない、誉めてるんだ」 「男が可愛いと言われて喜べるわけないでしょうっ」 横目で睨みつつ文句をつける。 実は自分の容姿が中性的であり、よく女性に間違われることに密な劣等意識があって、その手の冗談を苦手にしていた。 賢者になるまでは、わざと髪を短くもしていたのだが、小柄でもあることから、なかなか払拭しきれず、賢者になり証として髪を伸ばしてからは、また間違われることが増えていた。 「怒るな、悪気はない」 「わかってます」 悪気がないから、質が悪いとも言う。本気で抗議も出来ない。
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