231人が本棚に入れています
本棚に追加
「べつに驚くことじゃないでしょ? あなたも特異体質なんだから」
「いや、あの……」
なんなんだ、この人……!? ヤバい……! 平穏な俺の日常が崩壊する音が聴こえる気がする……。
手で青白く光る電気を抑え、優月は静かに説明を始める。
「コレが私の能力、『発電能力』(エレクトリック)。 今は軽く放電してるだけだけど、本気なら学園都市の半分くらいは停電させられるかな?」
もの凄く良い笑顔で言われた。 パチパチと瞬いていた電気とか、つい先ほどまで感じていた熱さとか、そういったものが一気に消え去った。
奏多の頭にあったのは、優月への疑問だけ。
「………桜坂さんって……何者?」
奏多の問いかけに、長い黒髪を風にたなびかせる優月は、爽やかな微笑みを見せた。
「――私は、探偵部。 ねぇ、探偵部に入らない?」
‡
桜華学園の特徴でもある学園都市。 学生や教員はもちろん、一般人も生活するこの街には、学園都市ならではの悩みや問題を抱えた人たちがいる。
そういった人たちの依頼を受け、日夜解決の為に奔走する者たちがいる。 それが――、
最初のコメントを投稿しよう!