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「――それが、桜華学園探偵部よ」
探偵部に誘われた翌日。 奏多は優月に引っ張られ、探偵部の説明を聞かされていた。
「はぁ……」
「そして、ここが探偵部の部室。 なかなか洒落た部屋でしょ?」
洒落た部屋、という探偵部部室には実に様々なものがある。
片側の壁の本棚には「快楽殺人の心理」や「犯罪心理学」といった分厚い本がギッシリ詰まっている。 逆の壁はカップやコーヒーセットが一通り揃った食器棚。
部屋の中央には来客用の革のソファーがあり、奥には作業用の机がある。 上には報告書の束が山積みだ。
ホントにどっかの探偵事務所みたいだな。
「洒落てるかどうかは知らないけど……とりあえず一つ訊いていいか?」
「何かしら?」
「他に部員いないの?」
…………………………。
奏多は思った。
やっちゃった! 地雷踏んだ! と。
「部員はね……私一人だけなの……。 あ、べつに気にしてないからね?」
「気にしてないと言いつつ、手に電撃がビリビリ走ってるんですけど!? ごめん、変なこと訊いてすみません!」
手をビリビリさせている優月の前で、奏多は土下座して謝罪(命乞い)した。
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