平凡少年と電撃少女

14/29
前へ
/200ページ
次へ
  「――死刑だから。 バーンッ」  可愛い顔で撃たれた。 というか、撃ち抜かれた。  グアッ……! やられた……! あんな可愛すぎる仕草は、彼女のいない思春期の男子にはちょっとキツいぜ……!!  再びドアが閉まり、撃ち抜かれた胸を押さえて、イスに座り、ふぅと息を吐いた。 「やれやれ……心配、いらない、かな……?」  異能者ってのは言わないでやろう。 死刑は嫌だし。  もう湯気も立たないほどにぬるくなったコーヒーを、最後の一滴まで飲んだ。 さっきよりもずっと苦い。 「――……あ、チャイム鳴った……」  鳴ったのは、始業のチャイム。 遅刻だ。        ‡  その日の放課後――。  奏多の脚は探偵部の部室へと向かっていた。  ま、やっぱり気になるし、話し相手くらいにはなってもいいだろ。  探偵部の部室に到着した。 朝は気づかなかったが、ドアに貼り紙がある。  どんな依頼もハードボイルドに解決!  ハードボイルドの部分だけ赤で書かれて強調されている。 優月が書いたのか、なかなか上手な字だ。 「……ノックした方がいいのか?」  ドアを軽く二、三回ノックすると、「どうぞー」と声がドア越しに聴こえる。  
/200ページ

最初のコメントを投稿しよう!

231人が本棚に入れています
本棚に追加